渓漁たちが動き回る季節がやって来ました。 春の柔らかい日差しを待っていたのは渓魚たちだけでなく、 山々の木々も春の訪れを、 枝の先から新しい葉や花を咲かせ、山菜が顔を出し始めています。今度の男鹿は流れる目印を追うだけでなく、視線を上げて山菜探しをされてみては。
待ちわびた暖かな日差しにつられて、山菜を探しながら渓魚追う男鹿川。
粋な渓遊びの季節の訪れです。
長い冬を越え春の息吹に心踊らせる男鹿の流れ、雪解けからの湿気が残る河原には既に
ふきのとうが塔を建て花を咲かし、タラの芽やコゴミも顔を出し始める山菜類に、草花も梅に桜、水仙が一緒に咲き始まった百花爛漫の季節、つい先日まで静まり返った空には鳥たちの鳴き声に包まれ、朝の冷い空気も心地良く感じる三依らしい春の訪れの朝。
夜駆けの疲れも高ぶる気持ちのせいか感じない、先日の放流に期待して入るポイント、道路
沿いの車止めは既に満員御礼状態である。出遅れた訳ではないが決まってこの時期は、途中に立ち寄る川でピンチョロを採取してから男鹿に入るから仕方がない。
釣り人の性との格闘、決して焦らない訳ではないのだが、この餌の違いで1日の釣果を大き
く分ける事になり、この釣りを教わった師匠の言葉でも有る。「魚には釣り人の気が殺気立って伝わり、そうしたら絶対に釣れはしない。焦りは禁物」と言う事と「自分の釣り方に自信を持ち、セオリー通りに1つ1つを行えば必ず満足する釣果が得られる」。そのセオリーが餌から始まる訳である。
ピンチョロ、栃木ではドブチョロとも呼ぶフタオカゲロウの幼虫、水溜まりのような流れが淀む
浅く落ち葉堆積した砂地やドロ場に住む川虫、針は尻から胴に殺さぬようチョン掛けで付けドルフィンキックでピンピンと泳がせながら流す。当然潜む魚は頭上をドルフィンキックで泳ぎながら餌が流れていけば居てもたまらず飛び付く訳で、その動きは「食べて~」と言わんばかり。比較的餌の日保ちも軽く湿らせたキッチンペーパーを餌箱の底に敷き軽く水分を含ませた水苔を敷き積めておけば長持ちする。多くの先行者が攻めたポイントに竿を入れる前に流れを読み、魚が付く捕喰域を見極める。
上流側の荒瀬から落ち込む深い淵、落ち込みからの流れは白泡になりそのまま大石にぶっかり逆Yの字に白泡が別れ、再びYの字に流れが1つになって流れている。そして、どん深の駆け上がりと手前側を回る淀み、落ち込みからの白泡の流れに入り込むタルミの反転流、このポイントだけでも4ヶ所の集餌域、底波の適水域にはそれ以上の捕喰点があるはずだ。
水温は9度、太陽がまだ当たらない最高のコンディション。7メートルの長竿に0、125の細糸、
重りは3号と6号を2つ噛み、大きめのビンチョロを尻にチョン掛けにして静かに立ち位置に入る。狙う1投目は手前のタルミの反転流が入る本流芯の大石の頭、淀みの芯を良く見てサイドキャストで正確に糸を入れる。餌から入った細糸は流れに乗りながら徐々に表層より遅い下波の流れに吸い込まれて行き、1つめの目印を水面に送り込むように糸を軽く弛ませ、2つめの目印との中間で竿を立て餌の流れる位置と穂先の位置を同位置になるよう竿を送ってやる。カマエは休めの姿勢に、竿を持つ右肘を閉め右足を軸に竿をぶれないよう左手で竿を下から軽く押さえてやる。こうする事により餌の流れる位置が目印より常に先行され糸がと目印がぶれずに自然に流れに乗って餌が流れて行く。魚が餌を咥えた瞬間の当たりも確実に捕る事ができ、かつ、違和感なく魚が長い時間餌を咥える事となるからだ。時々ブルブルっと小刻みに竿に伝わる振動はビンチョロが元気に泳いでいる証拠。反転流の底波を捕らえた細糸は白泡流芯下の適水域に入り圧しが強い表層の流れより
更にゆっくりと目印が白泡の中を流れて行く。下波の早さはちょうど人が歩くぐらいの早さ、そう、やまめの適水域である。大石頭の逆Yの字の位置で竿を伝わるピンチョロの動きが大きくなった瞬間に「モゾ」と言う感触、「当たりだ!」
そして目印が瞬間止まり、更に吹け上がる。長く餌を咥え込ませる為にテンションを少し弱めて糸吹けを軽く送り込んでやる。こうする事により咥えた餌に違和感なく餌を咥え込み、餌を吐き出す事なく確実に針に掛ける事が出来る。良く、「当たりは有ったけど掛からない~とか、針が小さいから」と言うのは完全に喰い込ませて無いからで有り、糸の太さにも有るが魚が餌を喰った瞬間に糸から伝わる違和感で餌をすぐ吐き出してしまうからだ、仮に掛けても浅掛かりだからばらしてしまい、尺物狙いなら針の大きさも有るがアベレージサイズなら針は小さい程、実績は良い。ちなみに自分が使っている針はオイカワ釣りのサイズで有る。餌を咥えている感触が竿から伝わる生命感、目印が止まったまま流れを漂い軽く左肘を下ろ
す程度に合わせをくれた瞬間、「ガッン!」と音が。魚は下流に走り出し竿が弓を画く、竿を倒して追いかける様に下流へ移動する。弛ませた糸
にテンションを掛けると魚が首を振り水面下から光る銀色の魚影、テンションを緩めて再び竿を倒してやると魚は上流に走りながらぐいぐいと底に潜り竿を持って行く。タイミングを合わせてテンションを掛けると暴れ回る魚影、周りには一緒に後を付け回す他の
魚、ざっと5~6匹の影は見えている。再びテンションを弱めて竿を倒し流れの中に漂う目印、鮎の友釣りにも似た面白い光景に見える。魚が流れに入った時に引っ張りっこをすると必ず糸が跳ねてしまう。掛けても採るのが難しい
のがこの釣り方であり、仕掛けと竿のバランスが細糸でもいなしとやり取りが楽しめる釣り方と、技。
徐々に浮かせ空気を吸わせは潜り込みまた、空気を吸わせて浮かせ、潜り走り回る魚。
細糸でのやり取りで一番興奮する瞬間。竿先の状態を崩さずにタモを構え魚の取り込み位置に誘導しながら浮かせ、魚の頭の向きと位置を確認した瞬間に竿先の体制を崩さす水面を滑らせタモに入れる。「採れた!」
つい言葉が出ていた。
先行者がいても 1投目で出た当たり、喰わせて取り込みまでのセオリーと一連の動作、長
い禁漁時期で有っても体は忘れずに覚えていてくれた。その後、このポイントで6匹を掛け、これと言うポイントでは全て読む位置に魚が掛かる結果で有った。解禁から良い釣果が聞こえない男鹿川で有ったが4月に入って活性が上がりいよいよ
男鹿での渓遊びか本格的に始まる。禁漁からの忘れかけていた自分の釣りの「感」と「感触」を取り戻してくれたやまめ達、食べる分だけを採り、後はまた楽しませてもらう為にも流れに返してやる。
昨日はゴールデンウイークに向けての成魚放流もあり、男鹿が一番楽しくまた、美しい
季節を迎えます。ただ糸を流すのでなく、魚の付き位置や適水域からの捕喰点を見極
めるトレーニングをするチャンスでも。そうする事により数だけでは無い釣果から、満足
行く釣果に、しいては結果に納得が行く釣りになりますね。
首都圏から約1ヶ月遅れの春。
日々日常から開放される雄大自然と清く澄んだ流れ
もう一度、春の息吹を感じに男鹿の渓へ、
粋な渓遊びの季節の訪れ。
こんばんはそでピーさん
そでピーさんも今日三依に来ていたんですね、私も6時前に行きましたがもう何時ものポイントは人が一杯、やっぱり連休になると多くなりますね。それにしても今朝は寒かったですね釣りをしながら震えていました。
寒くても岩魚に出会えるとやはり嬉しいです。
何時か三依でお会いしたいです、そして一緒に釣りをしたいですね。
そでピーさんのスタイルをこの目で見たいです。
たった一週間で野山が、景色が、大きく変わる時期ですね。
すべての命が一気に活動を始めてるのをしっかり感じることが出来ます。
三依もヤマブキが咲き始めると本格的に川も賑やかになりますね!
釣り吉さん
こんばんは、GW後半のご予定は男鹿ですが?
自分も当地にいますのでぜひお会い出きれば。
山菜に渓魚追うひと時一緒に楽しめれば。
宜しくお願い致しますね。
岩ちゃん
山菜大漁の様子、自分もGW後半、コシアブラにココミ、ハリギリ、ウルイです~。