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随想男鹿川・河鹿蛙鳴く

dsc06293日に日に季節の移り変わりが進む男鹿の流れ、
流れから聞き入れらる河鹿蛙の鳴き声。今年は例年より約2週間も早い。
カジカカエルは日本の固有種で、蛙とは思えない美声で流から美しい鳴き声が響き
渡らせる。
「フィフィフィフィフィフィ」、「コロロ・・」、「ヒィヒィヒィ・・」、など
と澄んだ声で鳴く蛙で、鳥の鳴き声と思っている方も多い。
1人源流での遡行では心細さの中、河鹿蛙の鳴き声が聞こえるだけで気持ち落ち
着くのは私だけではないとも思う。
夏の立つがゆへ也(暦便覧)
この日から立春の前日までが夏。野山に新緑が彩られ、夏の気配が感じられる
ようになる。蛙が鳴き始め、竹の子が生えてくる時期。
image028既にこよみは夏を迎えいる。
春と初夏が同居している三依である。
 
源流をひたすら詰め、南国のラグーンの静謐にも似た水のように、底まで見渡せる
水晶のような流れの中から、いつ、黒い矢が走るのか心ときめかせ糸を流し餌を
沈める。
image032川を突き進む1本の矢が見えた瞬間大きな当たりが、岩の陰から引きずり出した
1匹はオニチョロの動きに惑わされ、つい口を出したイワナ、
目がうらめしそうだ。
ca341060手にしているのはまぎれもないニッコウイワナだ。ほのかに銀色かかった魚体、
体側に散る淡い黄班と細かい白班との取り合わせ、オレンジ色の腹部は優しさ
にも嶮しさを感じらた。
我々は県水産試験場の手伝いで、源流域でのニッコウイワナの生態調査を行って
おり、釣れたイワナの脂鰭を数ミリ切り取り薬液の入った保存瓶に入れ釣れた
ポイントの記号を記録する。
元々からこの流れいる原種が混生なく生存しているかの調査。
限りある資源を渇欠する事ないよう20センチ以下は全てリリースする。
最近、下流域の成魚を遡上できない堰堤や滝上に移植放流している人の事を知った。
勘違いからの行為だろうか、本来の生態が守られているのか不安であるが
我々が生まれる前から残る原種がこの川に残っている事を信じたい。
落葉樹に包まれた保水力、根に包まれ抱かれた清く冷たい水、花崗岩の岩盤が
育む地形がこの精を育てている。
dsc06297薄い新緑の中に誇らしげに彩る薄いピンクは山桜
あと数日で鮮やかな山つつじにバトンを渡し、いつしか山々はエメラルド
グリーンに変化し春エゾセミが夏の訪れを伝える。
帰りの祖道では山菜を採取しながら山を降りた。
dsc06305この夜は山菜の天ぷら、そして釣れたニッコウイワナを囲んでの刺身と寿司。
仲間との祝福のひと時。
山の幸に今年も感謝である。
河鹿蛙鳴く男鹿の流れ
またもや進む季節の移り変わりを五感で感られた。
今頃もせせらぎから美しい鳴き声が響き渡っている事だろう。

4 comments to 随想男鹿川・河鹿蛙鳴く

  • ガンタロス

    貴重な魚なんだから釣らずに残せ!と思っている人も多いはず。
    でも、食することでそのものの価値、感謝という気持ちが芽生えると思う。
    いつまでも食したい、だから乱獲を慎み守る。
    食物連鎖の原点だよね!

  • みっちゃん

    それピ~さん、こんばんは。

    今年は訳あってスタートが遅れましたが
    おかげさまで9、10日と今年初めて中三依に行く事ができました。
    黄金週間の後ということもあり静かなものでしたが
    ありがたい事にいつもの沢で岩魚君が1匹だけ顔を出してくれました。
    岩魚君ありがとう

    例のごとく野岩鉄道徒歩組の私は、例のごとくレジ袋をゴミ袋がわりにぶら下げながらトコトコと釣り上がると、嬉しいやら悲しいやら、クラーボックスよりゴミ袋の方が重くなっていました。
    恐るべしゴールデンウィークですかね。
    未だ河川清掃に参加したことの無い私が言うのもなんですが
    「なぜ捨てる?」
    徒歩の私が拾えるようなゴミは、ポケットに入れてでも持ち帰れる程度のゴミです。その程度のゴミを何故捨てるのでしょうか。

    誰かが捨てたなら誰かが拾えば結果済むかもしれませんが
    皆さんの影の努力、活動を少しだけ知っている私は
    このゴミを見てショックを隠しきれないというか・・・
    こんな書き込みですみません。

  • sodepi~

    レスありがとうございます。

    貴重な魚だから残せ!、もっともだと思い言い回しの編集に多少時間が掛かりました。
    自分は自然保護を訴えているのではなく活動も違います。
    放流域、天然域、保護域を分ける流態区分をゾーニングとして今後の川に生かして行く考えを勉強中で近い内に水産試験場への勉強会も実施しようと思っています。
    ガンタロスさんの言う通り「食することでそのものの価値、感謝という気持ちが芽生えると思う。いつまでも食したい、だから乱獲を慎み守る。」この考えがもっともで我々1人1人の釣り人が心が掛けないといけない事でありますね。

    みっちやんさん
    ゴミを拾いながらの遡行、有難う御座います。
    ゴミを捨てる側より拾う側の方がカッコいい~
    もっと我々の活動をアピールしないといけませんね。
    皆がゴミを拾い魚が釣れる男鹿で有れば。
    次回は6月10日の愛リバー、そろそろ募集アップしないとね。

    有難うございます。

  • ガンタロス

    イート派の考え、リリース派の思い、考え方はいろいろあると思います。
    イート派は釣ったら責任を持って自然に感謝しながらいただく。
    リリース派は美しい1尾に出遭えたことを感謝し川に戻す。
    最終的な行為は異なっても自然を愛しむ心は変わらないと思います。

    リリース派の多くはルアーやフライを楽しむ若い人が多いけど、
    この人たちってすごくマナーが良いですよね!(一部そうじゃない人もいるけど)
    きれいな環境で気持ちよく釣りがしたい、だから挨拶もしっかり出来るしゴミも捨てないはず。

    餌釣りをやる者として悲しく思うのは、河原に落ちている釣り関係のゴミのほとんどがブドウ虫の容器や使い切った糸付き針のパッケージ。
    岩場に置きっ放しのビールの空き缶とタバコの吸殻、紛れも無く長時間その場で竿を出している餌釣りの人の仕業。
    ビール飲んでも、タバコ吸っても構わないけど、引き揚げる時は責任ある行動をお願いしたい。
    餌釣り師だけが悪いわけではないけど・・、目立つよね~

    釣り文化、世代の違いで考え方も違うから一方的に否定は出来ないけど、最低限のマナー、ルールは守るべきと思います。

    言い方悪いけど、男鹿川で竿を出すと悪人も自然と善人になる、更に仙人になれる、そんなフィールドをみんなで創り守りたいですね。

コメント

 

 

 

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